他国からアメリカに入国・滞在する際に必要なものの一つに「査証(さしょう)」というものがある。一般的に「ビザ」と呼ばれるもので、海外旅行をしたことがある方は「観光ビザ」などといったかたちで耳なじみがあるかもしれない。ことアメリカに関しては、様々な種類のビザが存在し、それぞれのビザに対して許可されることと制限されることの両側面がある。
今回は、渡米9年目を迎えたこの私もいま現在実際に保持している、通称「アーティストビザ」、または「特殊技能者ビザ」などと呼ばれる「O-1 Visa」を保持している人間が、クライアントから仕事を受ける際に提出する義務のある必須書類である「W9フォーム」というものについて、触れてみようと思う!
アーティストビザを保持して働く際の必須書類W9フォーム
「W9フォーム」というものに触れる前に、まずは「アーティストビザ」に関して簡単に説明してみよう!
アーティストビザとは
アメリカにおける「アーティストビザ」とは、その名のとおりアーティストと括られる職業の人間で尚且つそれなりの実績を残してきたミュージシャン、ダンサー、画家、作家、建築家、などなど芸術の分野で活躍するごく限られた人間が申請し、許可された場合にのみ取得できる「特殊技能者ビザ」とされ、アメリカ移民局での正式名称は「O-1(オーワン) Visa」と称されている。
このように書くとなにやら小難しく聞こえるかもしれないが、要は、それなりの活躍をしているとアメリカ移民局に認められたアーティストしか取得することができない極めて稀少なビザ、ということで定義は合っていると思う!
以上のような理由で、保持している人間の数が少ないだけに、学生ビザなどと比べて出回る情報も圧倒的に少ないのがこの「アーティストビザ」の特徴でもある。
仕事を受ける際の必須書類「W9フォーム」
では、アメリカ国内でこの「アーティストビザ」を保持している私のような人間が、クライアント(依頼人)から仕事を受ける際に必要・必須な書類というものが存在する。それがタイトルにもある「W9フォーム」と呼ばれるもので、一般的に「ダブリューナインフォーム」または省略して「ダブリューナイン」と呼ばれている。
W9フォームとは
ここまでの知識を元に、本題である「W9フォーム」とはいったい何なのか?という話に入ろう!
そもそも「W9フォーム」というのは、アメリカ合衆国内国歳入庁という徴収を司る機関が発行する「Request for Taxpayer Identification Number and Certification」と呼ばれるもので、日本語に直すと「納税者番号と証明書の要求」というものの一つで、他にもW2やW4などというフォームもある。「アーティストビザ」保持者のように会社員ではなく個人納税者の場合に限りこの「W9フォーム」を用いる。
つまりは、アメリカ国内における納税者として与えられた個人番号と、名前や住所などを記入しサインをしてクライアントに提出する用紙のことで、下の写真のような見た目をしている。赤い丸とチェックを入れた部分が記入する項目になるので以下で説明してこう。
画像
記入例
1. 自分の名前
2. (ビジネスネームがある場合のみ記入)
3. 「O-1 Visa」の場合は会社ではなく個人なので「Individual」にチェック
4. (「Individual」でない場合のみ記入)
5. 自分の住所
6. 市、州、郵便番号
Part Ⅰ の欄にソーシャル・セキュリティー・ナンバーを記入。これは日本でいうところのマイナンバーに当たり、アメリカでは納税者のみに与えられる番号。これは自分だけの番号で、一度取得するとアメリカ国内では一生涯自分を識別するための番号となるため、扱いには細心の注意を払う必要がある。
最後に一番下のラインに直筆のサインと日付けを記入。
まとめ
このようなかんじで、アメリカでアーティストビザを保持して仕事を受ける際には、自分が仕事を受けることになる各クライアントに対して、先ずこの「W9フォーム」という書類の提出が必須となる。このフォームは「w9 form」と検索するとすぐに出てくるので、プリントアウトして記入し、手渡しまたはスキャンしてEメールにて送信するのが一般的。
おわりに
今回は、意外と知られていないアメリカでの「アーティストビザ」保持者の常識をシェアしてみた。これからアメリカにアーティストとして挑戦しようとしている人、またはすでに「アーティストビザ」を取得しクライアントから「W9フォーム」の提出を求められたけど何ぞや?という人の参考になれば幸いであります☆彡
それではまた次回!!!
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